2009年3月1日日曜日

ストロベリーナイト


不覚にも涙が出そうになった。

被告人の弁護士から理不尽な弁論をされた玲子(主人公)が反論する場面である。

『・・・擦過傷が少なかったから、どうして受け入れたことになるんですか。ナイフで脅されて、口を塞がれて、力で無理やり押さえつけられて、それでどうして合意の上だなんて言えるんですか(略)命を張ってその男を捕まえた佐田さん(女性刑事)も、つまり殺される覚悟をしていたわけだから、だから殺してもよかったんだと、合意の上で殺されたんだと、そういうことですかッ。
(略)・・・覚悟があったんだから死んでも文句ないだろうなんて、面と向かって言えるの?佐田さんの家族に、いえ警察の人全員に、死んでも文句ないだろうなんて、本気でいう覚悟があんたにあんのかって訊いてんのよッ』
(略)・・・・・被害者家族以外の席は警察官でびっしりと埋まっており、今その全員が立ち上がり、玲子に、敬礼をしていた。・・・・・

引用を書き込んでいる時にもちょっとウルッときてしまう。

ノンキャリアでしかも若い女性警部補というまずありえない設定に違和感があるのだが、それはこの物語りに逆に奥行きを与えている。
俺は、最後まで完全には主人公に感情移入出来なかったのだが、展開の速い物語と、その割には登場人物がよく描かれていて引き込まれて読んでしまった。
特にガンテツこと勝俣刑事のキャラクターは好きだ。
彼を主人公でハードボイルドを1本やってもらいたいなぁ。

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