2009年9月9日水曜日

温室効果ガスを平成2年に比べて25%削減

と、鳩ぽっぽが鳴いているんだが、それにしても産経のケチの付け方はちょっと大人げない。

なかなかご立派な宣言ではある。1週間後に首相のイスに座る民主党の鳩山由紀夫代表は、平成32(2020)年に温室効果ガスを平成2年に比べて25%削減すると大見えを切った。現政府案とはえらく違うが、将来の予行演習なのだろう。公明党の環境相が歓迎するおまけまでついた。
と始まり、なんやかやと書き連ねてる。
じゃ、現政府案に賛成なのかいっていうとそれも違うようだし、産経としてのスタンスはなんら明らかにせず批判ばかりである。

批判なら猿でも出来るっちゅうの。
まあ、産経はこういうスタンスでつっこみどころ満載なんで面白いっちゃぁ、面白いんだが。

ただ、産経はネット経由でその日の朝刊がまるごと読めるサービスがあり感謝している。
タイでは読売・日経が朝刊を発行していて、契約すれば日本と同じように毎朝宅配可能だ。
しかし、ちょっとお高いのだ。
その点、この産経のサービスはネットにさえ繋げば無料で読むことが出来るので有り難い。

さて、今日はこの民主党案の25%削減について、産経では一般家庭の負担増が『1世帯650万円の負担増』なんて書かれていたりするんだが、それについて真面目に反論しておきたい。

まず、これは一般家庭が”現時点での技術とコストに基づいた”削減対策をした場合の”導入”コスト負担である。
たとえば『太陽光発電設備:費用185万円』であるが、今年も国で補助金を出しており実質負担金は160万円である。
(650万増は185万円で計算している)
しかしながら、今後は量産化や発電効率向上といった技術の進化で設置コストが下がっていくことは間違いない。
それと、太陽光発電分は電力会社に買い取らせているので、その売電分を差し引くと季節によっては電気代が掛からない月も出てくる。
かなりざっくり目に計算すると、現時点での導入コストでも約25年で元がとれるのだ。
つまり、実質的負担はゼロと計算してもいいんではないか。

次に『次世代自動車:40万~300万』となっており、これはハイブリット車と通常のガソリンエンジン車の価格差であろう。
40万円増はシビックハイブリッドクラス、300万円増はレクサスLSハイブリットクラス、てな訳である。
で、この650万円負担増はレクサスの300万円増で計算しているのだ。
レクサス買おうっていうのが、一般家庭かよ。おい。

ほれ、もうこれだけで420万円分の負担増は怪しい訳で、その他の項目も似たり寄ったりで、こんな程度の論拠に一々反論するのもバカバカしい訳である。
そんな訳、家庭部門では導入コストとその後運用で削減されるコストを比較すれば、金額的にはとんとん近くになってくる。

まさに、批判の為に捏造したといってもいいような記事である。
こんな記事を堂々と書きつづっている産経って、そっちのほうが無駄にCO2使ってるんじゃないかねェ。
新聞業界は押し紙やめろ~!(おっと、話がずれた、笑)

それから、矛盾した政策だとしてよく引き合いに出される『高速道路無料化』と『自動車税の減税』がある。
景気対策で土日の高速料金を千円定額にしただけで交通量が増えた。無料にしたらもっと増えてCO2も増えるんじゃないかと。
自動車税の減税も自動車が増えるんだからCO2も増えるだろうと。

たしかに導入当初は一時的に増加するだろう。
しかし、日本は人口減社会なんである。
そして年寄りはだんだん車を運転しなくなり、若者はあまり車に興味がない。
ほうっておいても交通量は少なくなるのではないか。

また、一般道の渋滞が少なくなればCO2と有害排気物質が削減される効果もあるし、流通コストが下がるので商品の値段も安くなる。
また、地方分権とセットで政策を進めていけば高速道路が無料なので東京一極集中が緩和されやすくなり、分散型国土が形成され地産地消が進み、結果物資の移動が少なくなるんで、CO2も削減される。(ちょっと先走り?笑)

ただ、俺は無料化には反対なんだよね。せっかく民営化したのにまた公営に戻してしまえば、官僚の利権を増やすだけになるだろうからね。

で、一番こまったちゃんはやっぱり企業部門なんだろう。
特に電力・製造業部門は、今までにも相当の投資をしてCO2の削減をしている。
更にこれから30%も削減するというのは不可能って、じゃぁ海外へ移転するかっちゅうことにもなりかねない。
これ、地球的にみれば意味のない話になってしまうわけで、そういった点では日本だけが独自に高い基準を設けてもしょうがないですね。

ただ、こういった高いハードルがないと技術的ブレークというのはなかなか出てこないので、まあ、10年後も鳩ぽっぽではないので、とりあえず言ったもんの勝ちで政策を進めるっつのも有りではないかと思う。
技術的には『常温核変換』や『燃料電池』といった、大きくブレークスルーしそうなものはあるわけで、そういったものに資金を振り当てつつ、低炭素社会を目指していけばいいんではないだろうか。

*しかし、産経も大きく出たよね~。
 先の【産経妙】だが、最後に
鳩山新首相が米中両国を説得し、かつ画期的な新技術が開発されて、目標を達成する可能性はゼロではない。そのときは小欄も「へ、へー」と音羽の鳩山御殿で平伏するつもりでいる。
なんて書いてあるけど、0年後に産経ってあんのかよ。(^^;)
まず、それを心配しろってェの。

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