赤服組、田舎からバンコク詣で～

ぷるぷるぷる～。
一昨日の午後、連れの携帯が鳴り出した。
『はろー、今王宮のデモ会場に居るよ。舞台の袖に座っているの。キャ、TV写ってるかしら♪ねえねえ、TVどうなってるゥ』
チェンマイ在住の連れの知り合いなんだが、バリバリのタクシン派でチェンマイのUDD（反独裁民主戦線）幹部と共にこの日から始まった集会に参加しているらしい。

『あなたも来れば～、赤服あげるよ～、ご飯もタダよ～』
連れもどちらかというとタクシン派であるが、デモにまで行くつもりはないらしい。まあ、暑いしね。
『今日から３日間夜を徹してデモやる予定よ。いつでもいいから来てね～』
なるほど、週末からはソンクラーンだし、皆、田舎で水掛祭りしたいもんなぁ。

まあ、一昨日はそんなのんびりしたムードであった。

ところが昨日の午後、デモ隊の主力がアヌッサワリー（戦勝記念塔）に向けて移動を開始してから様相が変化してきた。
王宮付近からアヌッサワリーに向かう道を強引に封鎖。（でも、この時点では片側だけであった）
そして、アヌッサワリーに着いたデモ隊はこの道路の基点になっているロータリーを事実上占拠してしまった。

その後、ロータリーの４方をタクシー数十台が封鎖。

タクシーの運転手は北部地方出身者が多く、彼らは大抵タクシン派。

どうも自発的に行動したようだ。

この封鎖により周辺は大渋滞しだした。

おまけに夕方からは雨まで降ってきて渋滞に拍車がかかった。

『バンコク都民の有志に幹線道路を封鎖するように幹部が演説しているよ。バンコクに黄服（パンタミット）を入れないようにするんだって』

アヌッサワリーの封鎖後、政府が何も出来ないのに気をよくしたのか、幹部もだんだん大胆になってきた。

『今ね、アヌッサワリーよ～。今日は夜までここにいて、明日はパタヤへ行きアセアンをぶっ潰すの～』

どうもだんだん過激になってきている。

夜中の11時を過ぎてももの凄い人が集まっている。
加速度的に人が増えているようだ。
以前、黄服組がスワンナ空港を閉鎖したときと状況が似てきている。
まったく、タイ人って付和雷同的っていうか、お祭り好きっていうか。

そんなこともあってか、昨日の夜9時頃アピシット首相がTVで演説。
『明日（4月10日）はワンユット（休日）にすると・・・。』
いきなり政府の指示で休日だそうで、目出度いですな。
道路が封鎖されているので交通渋滞を緩和することが目的らしいのだが、バンコクの一部のことで全国的に休日にしてしまうのもね～。
さすがタイである。

お陰で、ますますご機嫌なのがこの人。

そう、タクシン様である。

自分は何処かの国に居り、さらに家族まで出国させているのに、人々をアジッているのであ～る。

現在、アヌッサワリーだけではなくバンコクの主要道路が封鎖されている模様。
昨夜の時点でスワンナ空港にはタクシーの姿がないそうで、たとえタクシーに乗ってもスクンビット通り他が閉鎖されているのでホテルに辿り着くのは大変であろう。
もちろん空港に行くのも大変で、実質的に空港が閉鎖されたようなものだろう。

明日辺りから会社等はソンクラーン休みになるところが多い。
もし、このまま道路の封鎖が続けば田舎に帰りたいバンコク都民にとっては大迷惑だし、デモに参加している田舎のおっさんやおばはんも帰りたいだろう。
アセアンの会議も始まるので、おそらく今日が一つの山場になるだろう。

まあ、タイらしくずるずる～と終わってほしいもんだけど。